インターンのノウハウを近日中に実施する予定

就職難の時代にあって、インターンが注目を集めるのには納得が出来ます。ですが、折角のインターンを何も学ばずに終わらせてしまうこともあるようです。

サービス残業ばかりが問題視されるが、共稼ぎを左右するうえで重要なのは支払い残業問題である。
きわめて単純な経済的問題であるが、意外と見過ごされている。
残業には割増賃金が支払われるとふつう考えられているが、実はこれはフィクションである。
割引労働としての残業日常的に残業がおこなわれている。
残業が必要なときもあるだろうが、日常的なのは尋常ではない。
それには、企業と個人のそれぞれの状況認識が原因している。
まず、企業からみると三点ある。
「三六協定」による時間外労働の限度に関する基準期間上限時間①残業させることが容易である。
②残業させたほうが割安である。
③解雇を減らすことができ、従業員のモラール維持につながる。
第2章でみたように、企業には必要な残業を命じる権利が広範に認められている。
社員はそれを拒否できない。
残業についての労働基準法第三六条による労使協定(いわゆる「三六協定」)である。
企業が事業場(事業所と同じ。
法律上の用語)の従業員の過半数を代表する組合または労働者代表と協定を締結し、労働基準監督署に届け出れば時間外労働や休日労働を従業員にさせることができる。
ただ、時間外労働時間数に歯止めをかけるために、一九八八年から労働大臣(厚生労働大臣)の指針を示すようになっており、一九九八年にはこれを法的根拠による「基準」としている。
一般労働者の場合、具体的には図表3-3のとおりである。
この基準を超えて企業が残業させる場合は、金銭的不払いという意味よりも時間数超過の法律違反としてのサービス残業ということになる。
これは労働の裁量性ともからむ問題である。
なお、三六協定の締結率は、三〇一人以上規模の事業場で八割強、一〇一人以上三〇〇人以下で七割弱と規模が小さくなればなるほど締結率は低くなっており、一人から九人規模では二割弱である。
②についてはあとで詳しく論じる。
③については、よくいわれていることである。
日常的に残業をすることで、仕事が減少したときの雇用調整手段として残業を使うということである。
もし仕事量がふつうのときに残業ゼロであれば、仕事量が減少したときにすぐに一時帰休や整理解雇などをしなければならなくなるというロジックである。
今のような不況の時代だと、それを実感している企業も多いかもしれない。
ただ、そうすると仕事量が増えたときの残業は過度に多くなる。
過度の残業と雇用保障とのトレードオフをどう解決するかは議論のあるところである(4)。
次に、個人の側からみてみよう。
これは、企業側の認識の裏返しである。
①残業を拒否することがむつかしい。
②少しでも収入がはしいから残業したい。
③雇用保障のためには、やむをえない。
すでにみたように残業はまず拒否できない。
手取り収入が少しでもはしいという要求はいつも強い。
残業が雇用維持につながるといわれるとそうかと納得する人も少なくない。
このようにみていくと、残業は労使ともに望んでいることになる。
ただ、個人の立場からすれば、①の点、つまり、「残業を拒否することがむつかしい」という点が、きびしいところである。
個人の立場からすれば、残業したいときにでき、したくないときはしなくて済むのが一番だろう。
でも、そう都合よくいかない。
とくに夫婦揃って正社員の共稼ぎ家庭の場合であれば、そもそも残業を望まないだろう。
①を改善するためには残業拒否を認めるシステムが必要である。
現状では、正社員にはそれができない。
最近、多くの企業は「成果主義」へのシフトを謳っているが、残業要請を拒否できる余地を労働者に与えているわけではない。
拒否できるためには、非正規という働き方しかないというシステムはやめるべきではないだろうか。
これが多様な正社員が必要な理由の一つである。
さて、私は企業側からみた②に残業が割安だと書いた。
その理由について、以下で説明することにしよう。
残業は、企業も個人も多くが喜んでいるのだから、現状でも問題ないという議論は当然出てくる。
不景気で、ワークシェアリングがいわれる時代である。
好況時の膨大な残業を懐かしむ人もいるだろう。
しかし、これからの働き方を考えると、膨大な残業はもはやおこなうべきではない。
日本の残業割増規定にはトリックが組み込まれているので、残業を増やすことが企業にとってはとても安上がりになっている。
残業割増率を真の割増にするという当たり前のことをする必要がある。
私は、ここまで何の説明もなく残業が割引労働だといってきた。
労働基準法第三七条は次のように規定している。
(労働基準法第三七条時間外、休日及び深夜の割増賃金)使用者が、第三三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間叉はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
二前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
三使用者が、午後一〇時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後一一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
四第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
残業割増率は二割五分以上五割以下とされている。
また政令(平成六年八一九九四年)一月四日政令第五号)で、時間外労働については二割五分以上、休日労働については三割五分以上とされている。
問題なのは、割増賃金の計算の基礎となる賃金である。
これは「通常の労働時間の賃金」であり、月給制の場合は月による資金額を「月における平均所定労働時間数」で割ることとされている。
この基礎賃金には、この第三七条で明示的に家族手当、通勤手当が除かれているが、それ以外に労働基準法施行規則二一条によって、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、一カ月を超える期間ごとに支払われる賃金は算入されない。
つまりボーナスなどは算定基礎に入らない。
なお、第三三条は、災害など非常時の規定であり、「前条第一項」とは三六協定をさす。
この割増率二五%という最低基準があるのに、割引とほどういう意味なのか。
疑問に思った人もいるだろう。
以上の法令を踏まえて説明しよう。
実は次のようなからくりがあるのだ。
企業経営にとって、相次ぐ社会保険料負担の増加や企業年金負担の増加などから、問題は「総額人件費」であると認識されている。
まったく当然の認識であろう。
この考えを一人あたりの人件費として考えてみよう。
人を一人雇用するために、企業ほどれだけの費用を負担超過勤務手当は,『毎月勤労統計』より,残業時間を製造業の月平均約13時間,所定内の1割弓尊と想定。しているのか(残業手当は除く)。
それは、月例賃金、ボーナス、社会保険料の企業負担部分、通勤手当、住宅手当、家族手当、退職金や企業年金の負担などである(5)。
ところが、残業手当の算定基準は、このなかの一部にすぎない。
残業手当の基礎には通常、ボーナスや退職金積み立て、住宅手当・通勤手当等は含まれていない。

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